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医療経営戦略研究所

コラム:ナースの怒り 〜これでいいのか〜
こんにちは。今回からコラムを担当させて頂くことになりました‘あき’といいます。私は現在も透析施設の現場に関わって問題提議し続けている口うるさーいナースです。 「これでいいのかな?」と悩んだりしているスタッフや施設に私のこれまでの経験が活かせればいいな、なんて思っていたらこんな機会を頂きました。  >>自己紹介詳細へ

第3回:患者中心って本当??(3)


「美味しい」の代償

医療者は自分の許容範囲とする域を超えた患者さん
からの欲求に 応えられなくなると、‘問題ある患者さん’
というレッテルを患者さんに対して簡単に貼ってみたり、
‘モンスター患者’だと言って騒ぎ立てたり、問題の根源
は患者さんにあり、というような考え方の方が多いのでは
ないでしょうか。

初めに『美味し〜い!!』言葉を並べて患者さんに期待を
させたのは 自分達なのに、困ったら早々に手のひら返してしまうなんて。
甘いものを先に渡してしまったのは誰でしょう??
そんなことをするから問題が深刻になるんだと思いませんか?

医療者の大半は患者さんを増やすことばかり考えて、サービスと
いう 意味も知らぬままに、自分たちが患者さんに対して行うことが
サービス だと思ったならば、患者さんにとって必要か必要でないか
も考えず対応 してしまうケースが多いのではないでしょうか。
「仕方がないじゃない?」という答えをする方はどのくらいいるで
しょう。 ‘問題のある患者さん’‘モンスター患者’を作ってしまった
のには医療者 と患者さん双方に非があるのです・・・

「そんなことばかりじゃない、こちらは患者さんを思って対応している。
あの人は根本的に問題があるし、言っても無理な人だから」と答えた
あなたに聞かせてください。

◆あなたの施設に患者さんに守っていただく規則がありますか?
◆スタッフ全員が共有している基本理念がありますか?
◆治療のために無理なことや問題点など無理だと初めに伝えましたか?
◆我儘を言う患者さんに対してきちんと叱咤しましたか?
◆患者さんと向き合って話してみましたか?

あなたからの答えはどのようなものでしょうか?
「言っても無駄!!」という返事が返ってきているのでしょうか。

そう、ここに、あなたの答えの中に患者さんに対応する医療者側の
問題の種が埋もれているのです。

多くの医療施設やそこで働くスタッフは、勘違いをして‘患者さん中心 ’
とは―患者さんが望むことをすること―だと思いこんでいる節があるの
ではないでしょうか。だとしたら・・・恐ろしい。(なぜ?) ‘患者さん中心
の医療’を患者さんの視点でもう一度考えてみる必要 あるのでは?
と思うのです。どう患者さんの視点に立つのか・・・。

患者さんやその家族に胸を張れますか?

自分が透析医療の患者さんだったら、患者さんの家族だったら、どの
くらいの人が、今自分たちがいる施設を選んでいるでしょう?あなたの
答えはいかがですか?今、あなたの働く施設であなたは診療を受け
たいと胸を張って言えましたか?

あなたがあなたの施設に来ている患者さんに「ここのお医者さんや
スタッフの人にずっと看てもらいたい?」と尋ねたら、どのくらいの人が
‘はい’と答えてくれるでしょうか?患者さんから「もちろんずっと」と
回答をもらえるとあなたは胸を張って言えましたか?

私は自分で働く施設ながら‘イイエ’だったので『何とかしたい』と思い
ましたので、‘ハイ’と答えられる施設やスタッフは、凄いし羨ましいです。
‘ハイ’と答えられるスタッフの人に意地悪を言えば、『あなたたちの
自己満足なんじゃない?』なんて、言いたくなってしまいます。

皆さんは
◆「患者さんの言うがままに診療し続けられるのでしょうか」
◆「患者さん主体の診療で結果良かったと思えるのでしょうか」

人の欲求は与えれば与えただけ増え続けるし、それを与えられなく
なると、患者さんは治療に関係ないことまで引き合いに出して不満を
募らせ、他の患者さんまでも巻き込んで医療者には答えられない、
対応できない・対応できなくなるということに発展しかねません。

医療とサービス、永遠のテーマかもしれません。


 次回に続く

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